アルビス旭ヶ丘に残る日本住宅公団の”まる住” 最終調査報告
2013年9月から2014年9月の間に渡って実施した、まる住調査のまとめです。
<まる住、風車印の個数>
発見したまる住の個数
個数 | ||
まる住 | 12 | |
まる住(モニュメント) | 1 | |
未確認まる住 *1 | 9 | |
風車マーク | 3 | |
URマーク | 1 |
*1:未確認まる住は埋もれてしまい、まる住の有無が確認できなかった石柱の内、設置場所や隣接するまる住の存在から、まる住である可能性が高いもの。
<まる住の類型>
境界杭(敷地の境界を示すための杭)。団地の敷地と外部の敷地の境界を示すために埋められています。
2段彫りタイプ 境界杭 |
浅彫りタイプ(背面に数字あり) 境界杭 |
深堀タイプ 境界杭 |
住宅都市整備公団タイプ(風車マーク) 境界杭 |
設置された時期によって、形状が異なります。
水道標柱(水道設備の場所を示すための杭)
深彫りタイプ 制水弁杭 |
深堀タイプ モニュメントとして保存された制水弁杭 |
ケーブル杭(電力ケーブルの場所を示すための杭)
深彫りタイプ ケーブル杭 |
URマークタイプ ケーブル杭 |
アルビス旭ヶ丘には存在しませんが、風車マークのケーブル杭は新千里西町団地に存在します。
まる住調査を終えて
普段、誰も見向きもしないコンクリート製の杭。団地内には様々な杭が埋まっており、時代によって杭のデザインが変化していることが分かりました。
1958年に旭ヶ丘住宅が建設された当時、日本住宅公団によって”まる住”杭が設置されました。1981年から1999年までは住宅都市整備公団により”風車マーク”杭が設置されました。1999年以降はURマークの杭が都市基盤整備公団もしくはUR都市機構により設置されました。組織の名称や役割が時代によって変わり、マークもまる住、風車、URマークへと変化しました。一つの団地内に全てのマークの杭が揃っているのは珍しいのではないでしょうか。
普段、見向きもしていなかった杭を少し調べると、次々と新しい発見があったことに驚きました。団地という大きな社会資本を小さな杭を通して調べることにより、歴史や成り立ちを感じられることができ、一定の意義があったと思います。