アルビス旭ヶ丘に残る日本住宅公団の”まる住”

まる住のついた制水弁。

 

このページでは日本住宅公団のシンボルマークである通称”まる住”のついた制水弁や境界杭を紹介します。2013年9月に第1次まる住調査を実施し、団地内にはまだ多くのまる住が残っていることが確認されました。1958年頃に設置されたコンクリート柱は設置から55年(2013)が経過し、風化によって埋もれつつあります。コンクリート柱が何故、時間の経過につれて土中に埋もれていくのか。その原因についても説明と仮説を記しました。

以下にまる住のついたコンクリート杭の状況を示します。

 

<まる住のついた制水弁>

第1次まる住調査では水道関係のまる住杭は1箇所のみで確認できました。(TOP写真参照)。近くに頭まで埋もれた杭があったのですがまる住の存在は未確認です。立替時に水道管は新しくなり、杭も新しくなりますが、この場所のまる住はなんらかに理由で残っていたようです。

アルビス旭ヶ丘建設時に設置された杭。マークはありません。

 

<まる住のついた境界杭>

天竺川沿いには境界杭が約20mおきに設置されており、それぞれにまる住が確認されました。ほとんどの杭が埋没しつつあり完全な姿でまる住を撮影することはできませんでした。

天竺川沿いの境界杭

 

<テラスハウス内に残る境界杭>

 分譲テラスハウスのほとんどは既に立て替えられていますが、境界杭を見つけることができました。立替時に造成が行われない場所にまる住が残りやすいようです。

服部緑地霊園との境界にあった境界杭

設置されたときからこの場所にあったのか、工事によって

取り除かれた杭がたまたま残ったのかは分かりません。

このまる住のみマークの彫が薄く、

住の線が太いのが興味深いです。

傾きつつも懸命に境界を示し続けるまる住

側溝を整備した際に杭が収まるスペースが設けれたようです。

 

<まる住杭が埋もれる原因>

まる住を探していて不思議に思ったが、何故杭が埋もれるのかです。古い遺跡や土器が何故土の中から出てくる理由も良く分かりません。遺跡もかつては地上にあったはずで、もともと地上にあったものが何故土の中に帰っていくのか。その理由を調べました。

 

1、ダーウィンも不思議に思ったまる住が埋もれていく理由

ダーウィンの実験によると、耕していない庭に石を巻き、29年後に石の所在を確認すると地下18cmから発見されました。ダーウィンはこれをミミズの仕業であると仮説を立て、ミミズ石という装置によって仮説を証明しました。ミミズ石の仕組みは省略しますがミミズが土中で食べた土を地上で排出する作用のため、土が耕されたのおと同じ効果が生じることが分かりました。この実験によって地上の石が土中に埋もれることが確かめられました。よって、まる住の埋もれる原因の一つとしてミミズの活動が挙げられます。

 

2、沈降と堆積による作用

落ち葉、黄砂、砂埃等が地上た堆積すると地上の高さが上がります。一方、地盤が沈降すると地面全体が沈みます。この沈降と堆積によってまる住杭が土中に埋もれていくように見えるといえます。

 

考察

天竺川沿いでは杭の埋もれ方はどの杭も同じ程度で、上記の自然作用が均一に効いているものと思われます。実際には1,2の作用の双方が影響してまる住が時間の経過と共に沈んでいくものと思われます。今後は新しく設置された杭の様子を定期的に観察して、杭の沈下作用を調べることが必要です。

 

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